林業用語辞典 vol.8 【原木市場】

林業用語辞典 vol.8

【 原木市場 】 [ げんぼくいちば ]

野菜や牛や豚、お魚と同じく、セリによって売買が成立する市場。

板や柱などを売買する製品市場と違い、皮つきの丸太が広い屋外の敷地に並べられているのが特徴。

木材価格の低迷や、市場を介さない山側と買い手の直接取引などにより、全国的に木材市場の数は減ってきている昨今ではあるが、オークションで値段がセリ上がることもあるため、特に、高品質な優良材にとってはとても重要な拠点となっている。
セリ子の営業力やセリ手腕が要。

ちなみに、木材市場は与信管理機能も持つため、一見さんの買い手がフラっと来ても買うことはできない。

一方、出荷者である山方(やまかた)としては、売れれば市場が必ず現金化してくれるので頼りになる存在。また、市場が他の出荷者とあわせて量や質を担保してくれるため、小規模の出荷者でも、市場を介して大手製材所に買い取ってもらうことが可能になる。

 

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この原木市場と製品市場をあわせて、「木材市場」と言います。
年始に、三重県鈴鹿市にある「鈴鹿木材市場」の原木初市に行ってきました。

製材所や仲介者などの買い方(かいかた)さんは、セリが始まる前に物色。
だいたいの配置と、どうしてもセリ落としたい材のめぼしを付けておられます。
中には、他の買い方さんと情報交換をし、探りを入れておられる方もいます。

 

もちろん、出荷者である山方さんも来ておられました。
自分たちの木だけではなく、他の山方さんの木も気になりウロウロ。
初市という年初の記念市なので、気合を入れてご自慢の木を出荷されている方も多いです。

広い敷地に、ところ狭しと原木丸太が並べられているなか、先日、イトモクが出荷した材(上写真)もありました。

今回は特に特徴的な木だったので、「あ!この子だ!」とすぐ見つかります。

 

こちらは他の山方さんが出品された葉枯らし材(おそらく)。
とてもいい色をしています。

 

こちらはマツ。今回、マツは安めの値段がついていました。

 

根張り(幹の根元でググっと太くなっている部分)をすべて切り落としているエンピツのような木。

林業家さんの施業方法に応じて、それぞれのこだわりがありますね。