少花粉スギの植林 [京都府福知山市]

場 所:
京都府福知山市下大内
内 容:
少花粉杉の植林、単木防護チューブの設置
依 頼:
自社林の整備
施 業:
2023年

21歳から62歳まで——

当社の所有山で、当社の林業部スタッフ全員が力を合わせて、次の世代の森づくりに取り組みました。

モデル林「いとうの森」のほど近くで、少花粉スギの苗木を植えるという新たなチャレンジをスタートしました。スタッフの多くが花粉症に悩まされており、「少花粉スギ」は現場にとっても待望の苗です。

とはいえ、新しい品種に飛びつくのは慎重でなければなりません。

スギは成長し、建材として利用できるようになるまでに、早くても20年かかります。
建築資源としての適性、成長のスピード、材の強度など、あらゆる要素を見極める必要がありました。

日本各地で20年以上にわたり研究・育成され、少花粉スギの信頼性が確認されたため、ようやくイトモクでも導入に踏み切りました。

今回植えた苗木たちが、立派な建築材になるのは40〜60年後。
いま奥京都に生まれた子どもたちが、壮年を迎える頃です。

そのとき、この森が、地域の暮らしや木の文化を支えていることを願って。
連日夏日の炎天下のなか、1本1本、手植えしていきました。

植林時に悩まされる現代の課題が、「シカによる食害」です。

一般的には、植林地全体にネットを張る方法が使われますが、ほんのわずかな隙間からでも侵入されると、苗木が一斉に食べられてしまうリスクがあります。
今回はそのリスクを抑えるために、一本一本の苗木に専用チューブをかぶせて守る方法にトライしてみました。

この「単木防護チューブ」は、成長に伴って3〜5年後に外して回収予定です。

メリット

 ・被害リスクが局所的に抑えられる
・ビニールハウス効果で成長促進が期待できる

デメリット

 ・一本一本設置・回収の手間がかかる(広範囲だと特に)

今回使用したのは、竹谷商事 様の「ハイトシェルター」。
実験的な導入ですが、どんな成果が出るか、今後が楽しみです。

苗木を植える作業は、どこか畑仕事に似ています。
土地を整え、一本ずつ丁寧に植え、そしてじっくりと育てていく。

今回の現場は斜度がきつく、礫(れき)が混じった滑りやすい土質。
一本の植え付けにも、全身を使った踏ん張りが必要です。
普段は重機を操る最年長の川根も、この日は足が悲鳴を上げるほど。

それでも、スタッフ一人ひとりが「未来の山」を思い描きながら、1本1本、大切に植えていきました。

~∗~∗~∗~∗~∗~∗~∗~∗~∗~

創業明治35年以来、当社で扱えない木はありません。
受け継いできた経験と技術を活かし、新しい機械や最新技術を取り入れながら、自社林や自治会様の共有林・個人様所有林などの山を整備します。

§ その他の施業事例はこちら

§ お問い合わせはこちら

§ 当社の最新情報は instagramfacebook をフォローしてください

関連する事例